神戸に向けてのモダンまとめその9です!

今回は8月10日に行われた板橋・福山PTQの結果と、昨日行われた晴れる屋PTQの結果を見ていきます。

まずはTOP8のデッキタイプから


板橋PTQ(288人)

1位 マーフォーク
2位 黒緑t白ジャンク
3位 欠片の双子
4位 赤緑ランプ
5位 欠片の双子
6位 青白赤コントロール
7位 ウルザトロン
8位 赤単バーン


福山PTQ(102人)

1位 欠片の双子
2位 キキポッド
3位 欠片の双子 
4位 ウルザトロン
5位 黒緑t白ジャンク
6位 欠片の双子
7位 親和
8位 青白赤コントロール(キキジキ入り)


晴れる屋PTQ(303人)

1位 青白赤Delver
2位 親和
3位 親和
4位 感染
5位 メリーラポッド
6位 青白コントロール
7位 メリーラポッド
8位 青白赤コントロール(キキジキ入り)


板橋・福山PTQ

同日開催となった2つのPTQ。デッキタイプごとに構成などを詳しく見ていきましょう。


・欠片の双子

福山優勝及びTOP8に3名、板橋TOP8に2名を輩出したのはお馴染み「欠片の双子」。色はすべて青赤純正ですが構成はそれぞれ異なり、《呪文滑り》や《手練》などコンボ完成をサポートするカードを豊富に採用した【コンボ特化型】や、苦手な黒緑に強い《血染めの月》メイン2枚に加えて《広がりゆく海》まで4枚積まれた【土地を攻める】ことのできるタイプもあります。

注目したいのは《誘惑蒔き》について。もともと《突然の衰微》が効かないことから黒緑に強いサイドボードとして以前紹介したことがありましたが、黒緑が《未練ある魂》をタッチするタイプが主流になったことで、よりこのカードが強く使えるようになりました。相手の強力なクリーチャーを奪い取り、《未練ある魂》トークンの攻撃を通さない2/2飛行というサイズ。採用率・採用枚数の増加も頷けます。

また、同じく《未練ある魂》の流行を受けてか《雷口のヘルカイト》が福山優勝者のサイドに採られていたりと、どのデッキもトップメタである黒緑t白ジャンクへの対策は怠っていないことが伺えます。


・ウルザトロン

環境に存在はしながらも、なかなか結果を出すことができなかったウルザトロンがここへ来てTOP8に上がってきました。

特に福山4位の方のレシピは興味深く、あまり見慣れない《真髄の針》が採用されています。トロンは構造上《欠片の双子》に相性が悪く、トロンを揃えてもアップキープに《詐欺師の総督》で《ウルザの塔》をタップされるとメインで何も唱えられずにコンボを決められて負けるパターンがありますが、《真髄の針》はそれを防いでくれます。エンド前ではなく、土地を縛る目的でアップキープに出されるので《詐欺師の総督》か《やっかい児》か見てから指定できますし、他のトップメタに対しても親和は起動型のカードが豊富で、黒緑はマウントを取られやすい《ヴェールのリリアナ》を指定できます。


・黒緑t白ジャンク

トップメタとしてかなり意識され、どのデッキも「黒緑に負けない」構成にしてきているのでメタ的には厳しい立ち位置に思えます。そんな中、板橋2位の方のレシピはメタの流れを読んだ好感の持てる構成です。

「黒緑に負けない」=「リリアナにマウントを取られない」と言っても過言ではありません。前述の《誘惑蒔き》しかり、同系最強の《未練ある魂》も、トリコの《刃の接合者》もすべて《ヴェールのリリアナ》に場を掌握させないカードです。ここまで意識されていると《ヴェールのリリアナ》が機能しないことも多々出てきます。そんな時にこのカードを2枚以上引いてしまわないよう、採用枚数を3枚まで落としています。

《クルフィックスの狩猟者》を採用し、《闇の腹心》を減らしているあたりもメタ的に「ライフの損失を抑える」ことが重要であると読んでのことだと思います。


・マーフォーク

板橋優勝は以前この記事でも紹介した《メロウの騎兵》を抜き、《フェアリーの集会場》入り「Hanoiマーフォーク」。基本構成は割愛させて頂きますが、本人曰くメインに昇格した《はらわた撃ち》は本当に強いとのことです。改めて権利獲得おめでとうございます。


晴れる屋PTQ

前週の2つのPTQの結果を経て、神戸を翌週に控えての結果はかなり偏ったものになりました。というのも、筆者もこの会場にいたので独自に「7回戦終了時点での6-1以上のデッキタイプ」を(ランダムテーブルなので面倒だったけど)オンラインペアリングを見て、各テーブルを回って集計してみました。結果はなんと…

親和 6人
感染 2人
黒緑純正 2人
メリーラポッド 2人
マーフォーク
青白コン
死せる生
青白赤Delver
欠片の双子
青白赤コントロール(キキジキ入り)

計18人

親和・親和・親和・親和・親和・親和です。結果としてTOP8には2人でしたが、危うくTOP8に親和が6人なんてことになる可能性もありました。偏ったというのはこの親和祭りの他にも感染2人・青白赤Delver含めて「速いデッキ」が多く、メリーラポッド含めて「1ターン目からクリーチャーを展開していくデッキ」が多いところです。

繰り返しになりますが、クリーチャーを横に並べることは《ヴェールのリリアナ》への耐性になります。黒緑t白の現在の構成では軽いクリーチャーを捌くカードが乏しく、この手のデッキは総じて相性が悪いので今回結果を残せなかったのが納得できます。また、惜しくも6-1ラインで敗れてしまった黒緑がt白ではなく純正であることは、後述しますが《未練ある魂》への対策が多いことに付随するのではないかと思います。

さて、そんな中優勝したのはPTQ突破常連のデッキビルダー、マツモトユウキBさんが操るこのデッキでした。


・青白赤Delver

MOではよく見る青赤Delver。草の根やPTQではそこまで多くないデッキタイプでしたが、白を加えたこのデッキが303名の頂点に立ちました。

メインに3枚採用された《渋面の溶岩使い》がこのメタゲームでどれだけ強力かは言わずもがなでしょう。同様にサイドの《イゼットの静電術師》は速いデッキはもちろん《未練ある魂》にも強いので、8位の方の青白赤コントロールのサイドにも採られているように、神戸での採用率が上がるカードの一つだと思います。

《ファイレクシアの非生》は《機を見た援軍》よりも確実に多くのライフを得るバーン対策。援軍は状況が限定される他《頭蓋割り》等の回復阻止をされる可能性がありますが、非生はどのタイミングで置いても確実に10点の回復になります。(ライフが1点以上ある場合、一度にどれだけ大きいダメージを与えられても、そのダメージでは毒カウンターが乗らないので10点以上の回復になる場合もあります)

今回のPTQは知り合いの強豪プレイヤーが多く抜けたので、PTが楽しみです。改めて権利獲得おめでとうございます。


・メリーラポッド

「最近《出産の殻》って減ってきたよね」と言ってマークを甘くしていたプレイヤーも多いのでは?(私もその一人でした)

元々海外のGPではTOP8率がかなり高く、日本のPTQでは使用者はそこまで多くないものの、しっかりと結果を出してきました。ここ2~3週間ほどは目立った成績を収めていませんでしたが、改めてそのポテンシャルを発揮。GP神戸での対策は緩めすぎないが吉といったところでしょうか。


・感染

GPボストンで結果を残した感染ですが、今回の感染はかなりオリジナリティ溢れる構成です。製作者チームは関東ではお馴染み「QBK」。GP静岡チャンピオンの仲田涼も所属するこのチームは常に新しいデッキを模索していて、今回の感染も《ぎらつかせのエルフ》に《地うねり》か《古きクローサの力》撃って《突撃のストロボ》で2キル!というバカと天才は紙一重な構成になっています。

QBKの3人から合計11枚の《マナの合流点》を注文された時にはこの世の終わりかと思いましたが、本当にオリジナルでTOP8に入るあたりはさすがの一言。

真面目な話をすると、サイドにこれでもかと茶破壊が入っているので察しの通り親和への相性はあまり良くないとのこと。《未練ある魂》の流行で入った《イゼットの静電術師》あたりもきついので、神戸でのメタゲーム的に有利な立ち位置かは微妙なところですが、GPボストンでTOP8に2人は事実なので、練習・対策はしっかりしないといけない相手だと思います。


・親和

現環境の王者は黒緑ではなく親和である。そう思わせるに十分な結果を残し続けてきました。M15からの新戦力《アーティファクトの魂込め》は少し採用枚数が減る傾向にあるようです。

サイドの《集団疾病》はまたまた《未練ある魂》への回答になるほか《欠片の双子》コンボも止められるカードとしての、これまた神戸での採用率はあがるのではないでしょうか。



さて、神戸前最後のメタゲーム予想です。

Tier1
親和
黒緑Xジャンク
欠片の双子

Tier1.5
出産の殻
マーフォーク
青白赤コントロール

Tier2
感染
赤バーン
青白赤デルバー
風景の変容

その他
潜在能力、ウルザトロン、白黒トークン、Zoo、死せる生 etc...



GP神戸に向けて記事を書いてきました。今まで読んで下さった方、本当にありがとうございました。とにかくモダンが好きで始めたこの記事でしたが、何か少しでもみなさんのお役に立てていたら幸いです。またスタンダードやモダンの記事を書く時がありましたら、よろしくお願いいたします。






GP神戸で幸運を!






Cardshop-Nage http://nage.ocnk.net/


プロツアー「神々の軍勢」(2月23日)
http://coverage.mtg-jp.com/ptbng14/

GPリッチモンド(3月8日)
http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/gprich14/welcome

SSSモダン(4月13日)
http://www.bigmagic.net/list/modern/tournament/0013.html

GPミネアポリス(5月11日)
https://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/gpmin14/welcome

BIGMAGIC OPEN(SCG Invitational Challenge)(5月11日)
http://www.bigmagic.net/event/bmo01/modern/008.html

PTQタルキール覇王譚in川崎(6月7日)
http://d.hatena.ne.jp/Strike/20140607

モダン神決定戦(6月14日)
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PTQタルキール覇王譚in金沢(6月15日)
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PTQタルキール覇王譚in大阪(6月22日)
http://www.bigmagic.net/event/201406PTQ/decklist.html

PTQタルキール覇王譚in土浦(6月29日)
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PTQタルキール覇王譚in名古屋(7月21日)
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GPボストン(7月27日)
http://magic.wizards.com/en/events/coverage/gpbos14/t8decks

PTQタルキール覇王譚in板橋(8月10日)
http://www5f.biglobe.ne.jp/~FDC/PTQ-Honolulu2014-Itabashi.html

PTQタルキール覇王譚in福山(8月10日)
http://challengeratsushi.diarynote.jp/201408121747095026/

PTQタルキール覇王譚in晴れる屋(8月17日)
http://www.happymtg.com/coverage/21878/

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