神戸に向けてのモダンまとめその8です!

今回はGP神戸前最後のモダンGPであるGPボストンの結果を見ていきます。参加者は2460人。

まずはTOP8

1位 黒緑t白ジャンク
2位 ジャンド
3位 緑青感染
4位 親和
5位 ハサミ親和
6位 緑t青黒感染
7位 黒緑t白ジャンク
8位 ブルームーン


ちなみに初日全勝は(カッコ内は最終成績)

緑t青黒感染(TOP8)
メリーラポッド(13勝2敗オポ落ち)
メリーラポッド(12勝3敗)
黒緑t白ジャンク(12勝3敗)
赤t白黒バーン(12勝3敗)
ソウルシスターズ(10勝5敗)
死せる生(9勝5敗1分)


TOP8のラインは13勝2敗。8人出て上位4人がTOP8、残りの4人はオポ落ち。初日全勝のプレイヤーもオポ落ちしているあたりが恐ろしいですね。

2日目のメタゲームブレイクダウン

46人(16.2%)黒緑系ジャンク (t白 20人、ジャンド 16人、純正 10人)
35人(12.3%)欠片の双子(純正21人、タルモツイン10人、t白4人)
32人(11.3%)出産の殻
26人(9.2%)親和
22人(7.7%)青赤白コントロール(内トリコトラフト10人)
22人(7.7%)風景の変容
20人(7.0%)バーン
12人(4.2%)ウルザトロン
12人(4.2%)青赤Delver(内タッチタルモ6人)
5人(1.8%)マーフォーク
5人(1.8%)呪禁
4人(1.4%)死せる生
4人(1.4%)感染
33人(11.6%)その他

データのまとめはこのくらいにして、とりあえず一言




感染!!!



さすがに意外でした。一つ前のモダンGPミネアポリスもそこそこのメタ外から《風景の変容》が優勝しましたが、今回のTOP8に感染2人はそれ以上の衝撃でした。何せ現環境のGPやPTでは全く結果を残していなかったどころか、日本のPTQや草の根でもほとんど見ることのないデッキタイプでした。

2日目にも4人しか残っていないのにTOP8に2人、この勝因はどこにあったのか。

・感染
従来から感染というデッキはそのコンボスピードが恐ろしく速く、ウルザトロンや風景の変容など軽除去と生物の少ないデッキには比類なき強さを誇ります。その分除去が豊富な相手は不利になりますが、現状のトップメタである黒緑系がジャンドよりも純正・t白が主流であることは追い風になっています。

《稲妻》がなく除去の一つが重い《大渦の脈動》である以上、黒緑側は少し不利なマッチアップになるでしょう。また、神モダンでバーンが優勝したときも書きましたが「相手のサイドに対策が少ない」といことがいかに重要であるかはこの結果の通りだと思います。僕はこの土日黒緑ジャンクで大会に出ましたが、もし感染に当たったらと考えてサイドを見てみるとほとんどサイドインできるカードがありませんでした。メインに入ってた《強情なベイロス》が恨めしそうにこちらを見ています(笑)

他のデッキだと、違う目的で入れていた《呪文滑り》あたりが優秀なサイドカードになるのですが、感染側は重々承知しているので割れるカードもこれでもかと入れてきますね。(実際こいつを除去しないとデッキの20枚くらいが腐ってしまうので)

その他の対トップメタですが双子には不利だと思います。一応《巨森の蔦》で欠片コンボは弾けますが、相手はこちらに干渉できる方法が多岐に渡っていて防ぎにくいですからね。親和は除去が薄いのでかわしてワンパンいれるのはそこまで難しくないように思えます。《大霊堂のスカージ》によって大量にライフゲインされても関係ないのが良いですね。

殻だけは意図せずガンメタの《シルヴォクののけ者、メリーラ》に加わえてメインから《呪文滑り》…これはさすがに無理ですね。トリコにもきつそうですが、マーフォークやバーンには有利が付きそうです。

使ったことがないので予想が多くて申し訳ないです。組んでみて使った感想を次回書きたいと思うので感染の話はこのくらいで。その他のデッキタイプを見ていきましょう。


・ハサミ親和
名古屋PTQを抜けて注目されていたハサミ親和がGPでも結果を残しました。カバレッジを見る限りオポ落ちしてしまった9位のプレイヤーもハサミ親和と思われます。

デッキ的に《ダークスティールの城塞》や《大霊堂のスカージ》など付けると5/5以上の価値が生まれる対象もあり、そもそも何に付けるにしても除去を火力に頼っているデッキは5/5を対処するのが困難です。

サイド後まで考えるとトリコ相手は《流刑への道》に加えて《摩耗+損耗》も入るのでちょっと使いにくそうですね。黒緑も《突然の衰微》《四肢切断》に加えて《ゴルガリの魔除け》が-1/-1モードの他にエンチャント破壊もあるのであまり長くは付いていられないでしょう。

しかしその分《ダークスティールの城塞》に付ければ《忍び寄る腐食》等の全除去が掻い潜れる5/5です。やはりこの結果の残し方をみるに親和は「強化された」と言って間違いないでしょう。今後のPTQやGP神戸でもほぼ間違いなくTier1の継続が予想されますので、対策・練習は怠らないほうが良いですね。


・黒緑ジャンク
今回純正2色は結果を残せませんでした。2人はt白、1人はジャンド。それぞれの特色を見ていきましょう。

t白はメインに《未練ある魂》、サイドに《エイヴンの思考検閲者》と《石のような静寂》が主なところです。まずメインの《未練ある魂》ですが同系の焦点であった《ヴェールのリリアナ》に劇的に強くなります。+にも-にも対応できるこのカードのおかげで純正2色の時に採用していた《変わり谷》を採用する必要がなくなり、その分《地盤の際》を加え、際がある&未練とマナ域の被る《大爆発の魔道士》がサイドに落ちています。

《未練ある魂》はその他にも小型飛行クロックが中心の親和にも有効なカードです。サイドの《石のような静寂》と合わせて親和への相性は純正よりも良くなって…いるはずなんですが、ハサミこと《アーティファクトの魂込め》とデッキ的に1番対処できない《刻まれた勇者》にこの2種の対策カードがそこまで劇的ではない点は少し気になります。

《未練ある魂》はハサミを止めて時間を稼げるので良いのですが、《石のような静寂》はその2つには無力です。しかし親和というデッキの4割を機能不全にするこのカードが有効なことには間違いなく、相手のハンドとの噛み合い次第といったところ。総じて有利にはなっていますが、油断してると意外と押し込まれるので注意です。

また、今回TOP8の2人も採用し個人的にもおススメのサイドボードなのが《仕組まれた爆薬》。今まで《悲哀まみれ》だった枠ですが、変わらず親和に強いのはもちろん2マナロード&海のマーフォークや1マナタフ3連打のトライバルZooなどに強くなっているのが魅力的です。殻には《悲哀まみれ》のが強いのですが、そこは《エイヴンの思考検閲者》と《石のような静寂》でカバーできているので是非採用したいカードです。


ジャンドと黒緑の違いは以前の記事でも書いた通りなのですが、今回のジャンドには《神々の憤怒》が採用されていません。代わりに殻により強い《墓掘りの檻》は入っているのですが、マーフォークやZoo、トークンなど横に並ぶデッキへの対策が少ないのは気になります。確かにメタゲームブレイクダウンを見ると殻に当たる確率のほうがその他横に並べるデッキに当たる確率より高そうなので、メタを絞った採用と言われれば納得ではありますが。

その他注目なのは《オリヴィア・ヴォルダーレン》ですね。メタゲームの推移として黒緑はバーンが増えたこともあり同系(リリアナ)対策に《強情なベイロス》を採り、それに強い《生命散らしのゾンビ》まで出てきました。ではその《生命散らしのゾンビ》に強いカードは?と聞かれれば間違いなく《オリヴィア・ヴォルダーレン》でしょう。《突然の衰微》で死なず、t白の《未練ある魂》にも強いのでかなり優秀です。ただ《未練ある魂》も《変わり谷》もないのでそもそもの《ヴェールのリリアナ》に場を掌握されないことが重要ではあります。

この無色土地を採用できないというのはジャンドのデメリットですね。t白の場合、白マナが要求されるのは基本3ターン目。《未練ある魂》に至っては《ヴェールのリリアナ》で捨てれば大丈夫といった保険まで付いているので白マナは11~12枚程度あれば何とかなりますが、《稲妻》擁するジャンドは1ターン目に撃つ可能性がある以上赤マナが13~14枚必要になり無色土地を採る余裕がありません。

しかし感染も出てきて《稲妻》の重要性が高まるなら黒緑よりt白よりジャンドでしょう。白も赤も色を足す魅力は尽きませんが、一番苦手な《血染めの月》への耐性が下がることだけはお忘れなく。

・ブルームーン
トップメタが黒緑系である以上、メインに月を搭載することは正当化されると言っていいと思います。今まで《波使い》が入っていた枠に《ヴェンディリオン三人衆》が入り、伴って《広がりゆく海》も抜けていますね。

黒緑の他にも上位メタの青白赤コントロール、風景の変容あたりに月は強いですし、メリーラポッドや親和にもタイミングが良ければ全く刺さらないわけではありません。(親和はサイド後自ら月を貼ってくることもありますが、あくまで黒緑やトリコ等嵌めればほぼ完全にスペルをシャットアウトできる相手に限定されます。8枚入ってるミシュラが使えなくなってもそれ以上に相手が何もできなくなるならサイドインするってことなので、単純にブルームーンの月はこちらに被害なく相手のミシュラを止めるのに有効です)



こんなところでしょうか。思わぬ感染の活躍で今後のメタゲームがどう変わっていくのか。次回は板橋PTQの後を予定しておりますので、よろしくお願いします。

Cardshop-Nage http://nage.ocnk.net/

プロツアー「神々の軍勢」(2月23日)
http://coverage.mtg-jp.com/ptbng14/

GPリッチモンド(3月8日)
http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/gprich14/welcome

SSSモダン(4月13日)
http://www.bigmagic.net/list/modern/tournament/0013.html

GPミネアポリス(5月11日)
https://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/gpmin14/welcome

BIGMAGIC OPEN(SCG Invitational Challenge)(5月11日)
http://www.bigmagic.net/event/bmo01/modern/008.html

PTQタルキール覇王譚in川崎(6月7日)
http://d.hatena.ne.jp/Strike/20140607

モダン神決定戦(6月14日)
http://www.happymtg.com/category/coverage/archive2014/kami_modern/

PTQタルキール覇王譚in金沢(6月15日)
http://www.happymtg.com/decks/search/Format.name:Modern/Deck.tournament_id:T028114

PTQタルキール覇王譚in大阪(6月22日)
http://www.bigmagic.net/event/201406PTQ/decklist.html

PTQタルキール覇王譚in土浦(6月29日)
http://www.happymtg.com/decks/search/Format.name:Modern/Deck.tournament_id:T028677

PTQタルキール覇王譚in名古屋(7月21日)
http://74598.diarynote.jp/201407220014224170/

PTQタルキール覇王譚in千葉(7月21日)
http://www.happymtg.com/decks/search/Format.name:Modern/Deck.tournament_id:T029239

GPボストン(7月27日)
http://magic.wizards.com/en/events/coverage/gpbos14/t8decks

MO Modern Daily&Modern Premier(随時更新)
http://magic.wizards.com/en/gameinfo/products/magiconline/decklists

モダンまとめ、その1-プロツアー神々の軍勢-
http://worldandworld.diarynote.jp/201403140113045525/

モダンまとめ、その2-GPリッチモンドとSSSモダン-
(http://worldandworld.diarynote.jp/201404201502359910/)

モダンまとめ、その3-GPミネアポリスとBMO併催SCGチャレンジ-
http://worldandworld.diarynote.jp/201405121640593890/

モダンまとめ、その4-PWCで行われた2つのモダンGPT-
http://worldandworld.diarynote.jp/201406022353033478/

モダンまとめ、その5-川崎PTQと神モダン-
http://worldandworld.diarynote.jp/201406161740244352/

モダンまとめ、その6-大阪PTQ・GPT神戸in川崎・ばりエクスプレス-
http://worldandworld.diarynote.jp/201406240224247846/

モダンまとめ、その7-名古屋&千葉PTQ結果-
http://worldandworld.diarynote.jp/201407222211579580/

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