モダンまとめ、その5-川崎PTQと神モダン-
2014年6月16日 TCG全般神戸に向けてのモダンまとめその5です!
今回は6月7日に285人で行われた川崎でのPTQと、14日に300人で行われた神モダンの結果を見ていきます。一応前回までのメタゲームの流れを簡単におさらいすると
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GPでもよく勝っているメリーラポッドが強い→《よじれた映像/Twisted Image》を入れた双子が強い→よじれ効かないし相性良い黒緑ジャンクが強い→双子に有利なZooやマーフォークもアンガー減ったし強い→川崎PTQは一周して殻が強い…??(メタゲームの隙を狙ってくる強豪プレイヤーの親和には注意!)
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といったところでした。
・PTQタルキール覇王譚in川崎
まずは川崎PTQ。TOP8のデッキタイプは以下の通り
1位 4色《出産の殻/Birthing Pod》
2位 親和
3位 ジャンド
4位 黒緑ジャンク
5位 黒緑ジャンク
6位 純正双子
7位 純正双子
8位 黒緑ジャンク
優勝はメタの流れ通り《出産の殻/Birthing Pod》…なんですが、このリストはかなり独特で4色と言っても赤無しの4色なのでキキポッドではありません。強いて言うならバントt黒と言ったところでしょうか。
ご本人がリストを非公開にしているので詳しいことは分かりませんが、神モダンでフューチャーされてビデオマッチに上がっているのでなんとなくの構成はそちらで見ることもできます。
準優勝もやはり最近あまり結果が出ずにマークが甘くなっていたのか、改めて親和がその強さを見せつけました。
その他、純正双子は相変わらずですが、最近タルモ双子が減少したように思えます。なんだかんだ純正が1番安定してるってことでしょうか。
そして残りの枠をすべて持っていったのが黒緑X。前週の活躍が目覚ましく、かなり意識されたと思われる中で圧倒的な成績を収めました。と言っても、そもそも昔からこの手のデッキは「ただ強いカード」がたくさん入っているので、対策がかなりしづらいことでもお馴染みです。なので例えば何かの大会で黒緑Xがかなりの割合でいるとなったら、対策をたくさん採るというよりはそもそも相性の良いデッキ選択することも有りだと思います。
自分のライフを減らすカードが多いのでバーンは苦手ですし、ジャンドは《地盤の際/Tectonic Edge》がないのでトロンが、黒緑は《古えの遺恨/Ancient Grudge》がないので親和が相性の悪い部類です。
それでも「他のデッキに負けたらしょうがないし、自分は双子しか使ったことないからなぁ…」となったらそこは腕の見せ所。最近では黒緑Xの対策に《嵐の神、ケラノス/Keranos, God of Storms》や《誘惑蒔き/Sower of Temptation》など、少し独特なカードが採用されていたりします。ケラノスは《殴打頭蓋/Batterskull》同様消耗戦に強く、《誘惑蒔き/Sower of Temptation》は《突然の衰微/Abrupt Decay》の効かない《不忠の糸/Threads of Disloyalty》なので苦手なリリアナに強いのが魅力です。
メタゲームの流れで予想通りの勝ち上がりを見せた殻と親和、意識されながらも圧倒的なパフォーマンスを収めた黒緑Xと次いで双子、代わりに影を潜めたマーフォーク…きっちり一周したと言える混沌としたメタゲームの中で一昨日の神モダンを迎えます。
・ モダン神決定戦
300人の満員御礼で行われた神モダン。その結果は…
1位 赤単t白バーン
2位 親和
3位 純正双子
4位 マーフォーク
5位 メリーラポッド
6位 ジャンド
7位 赤単t黒バーン
8位 黒緑ジャンク
TOP8には今までの話に出た各デッキタイプが勢揃い、と言ったところですが、優勝はこれまたメタゲームの隙を突いてか赤バーンが勝ち取りました。
ちなみにTOP16まで見ると
9位 ジャンド
10位 純正双子
11位 黒緑ジャンク
12位 赤単t白バーン
13位 赤単t白バーン
14位 ドメインZoo
15位 白黒ジャンク
16位 感染
メタゲームブレイクダウンによると使用者は上から
44人 黒緑X
24人 青白赤コントロール
23人 欠片の双子
23人 出産の殻
21人 白黒トークン・ジャンク
20人 ウルザトロン
20人 バーン
20人 Zoo
15人 親和
倍以上の使用者がいた黒緑Xと同じ数である4名のTOP16への輩出を考えると、この日の勝ち組は完全に赤バーンでした。トップメタの黒緑Xに強く、多種多様なデッキのいるモダンでは「特定のデッキにしか効かないカード」を用意するのは困難で、仮に数枚用意できたとしても、先週の結果を考えればその枠は「親和」に充てるのが順当。となると、この週の赤バーンの活躍も頷けます。
さて、以上の結果を踏まえてメタゲーム予想(カッコ内は前回の予想からの変動)
Tier1
(-)黒緑X
(-)欠片の双子
(↑)親和
Tier1.5
(↓)出産の殻
(↑)マーフォーク
(↑)赤単バーン
Tier2
(↓)風景の変容
(↓)青白赤コントロール
その他
ウルザトロン、青赤デルバー、白黒トークン・ジャンク、ヘイトベアー、Zoo、死せる生、感染 etc...
黒緑Xと双子は揺るがないトップメタ、親和も昨日行われた金沢でのPTQを制したということもあり、当面はTier1として意識しないといけないでしょう。
神モダンを制した赤バーンが圏外から一気にTier1.5へ。しかしこの手のデッキは勝ったら一気に対策が増えて一時的に失速、メタゲームの回りを待ってまた浮上という流れになりがちなので意識しすぎは禁物。今週はTier1.5ですが、来週にはTier2になる可能性が高いですね。
個人的に注目なのはいつも使用者が少ない割にコンスタントに結果を残しているマーフォーク。PTQに出るならしっかり抑えておきたい相手です。
そして出産の殻。川崎PTQ優勝、神モダンTOP8、金沢PTQでも準優勝したと聞きました。普通に考えると完全にTier1なのですが、ちょっとした理由がありTier1.5に落としました。それは「プレイングがモダンで1番難しい」と感じたためです。
モダンのデッキはどれもプレイングが難しいとは思いますが、その中でも殻は頭2つ程抜けて難しいと思っています。まず1つは採用しているカードの種類が他のデッキの倍以上ある点。殻というカードの性質上当たり前ではあるのですが選択肢が常に多く、その選択はサーチだけに限らず、サイドチェンジやトップデッキの可能性を考える上でもプレイングを難しくします。
もう1つはライフ管理。キーカードの殻がライフを失う他に、緑に寄った3色でありながら白と黒にダブルシンボルもあるので土地からのダメージも痛いところ。デッキに1~2枚のダブルシンボルのためにギルランを持ってくるか、もし引いてしまったときのリスクを考え…など、とてもじゃないですが慣れていないと使いこなせません。
今週赤バーン勝ったからコピーして出ようってなった人はメタが動いてなければそこそこ勝てると思います。黒緑強いからコピーしようって人もそこそこ勝てると思います。ですが、今週殻が勝ったからコピーして出ようって人はメタが動いてなくても勝つことは難しいと思います。これがTier1.5の理由です。
そんなところで。次回は当方が参加予定の土浦のPTQが終わった後に!
Cardshop-Nage http://nage.ocnk.net/
今回は6月7日に285人で行われた川崎でのPTQと、14日に300人で行われた神モダンの結果を見ていきます。一応前回までのメタゲームの流れを簡単におさらいすると
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GPでもよく勝っているメリーラポッドが強い→《よじれた映像/Twisted Image》を入れた双子が強い→よじれ効かないし相性良い黒緑ジャンクが強い→双子に有利なZooやマーフォークもアンガー減ったし強い→川崎PTQは一周して殻が強い…??(メタゲームの隙を狙ってくる強豪プレイヤーの親和には注意!)
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といったところでした。
・PTQタルキール覇王譚in川崎
まずは川崎PTQ。TOP8のデッキタイプは以下の通り
1位 4色《出産の殻/Birthing Pod》
2位 親和
3位 ジャンド
4位 黒緑ジャンク
5位 黒緑ジャンク
6位 純正双子
7位 純正双子
8位 黒緑ジャンク
優勝はメタの流れ通り《出産の殻/Birthing Pod》…なんですが、このリストはかなり独特で4色と言っても赤無しの4色なのでキキポッドではありません。強いて言うならバントt黒と言ったところでしょうか。
ご本人がリストを非公開にしているので詳しいことは分かりませんが、神モダンでフューチャーされてビデオマッチに上がっているのでなんとなくの構成はそちらで見ることもできます。
準優勝もやはり最近あまり結果が出ずにマークが甘くなっていたのか、改めて親和がその強さを見せつけました。
その他、純正双子は相変わらずですが、最近タルモ双子が減少したように思えます。なんだかんだ純正が1番安定してるってことでしょうか。
そして残りの枠をすべて持っていったのが黒緑X。前週の活躍が目覚ましく、かなり意識されたと思われる中で圧倒的な成績を収めました。と言っても、そもそも昔からこの手のデッキは「ただ強いカード」がたくさん入っているので、対策がかなりしづらいことでもお馴染みです。なので例えば何かの大会で黒緑Xがかなりの割合でいるとなったら、対策をたくさん採るというよりはそもそも相性の良いデッキ選択することも有りだと思います。
自分のライフを減らすカードが多いのでバーンは苦手ですし、ジャンドは《地盤の際/Tectonic Edge》がないのでトロンが、黒緑は《古えの遺恨/Ancient Grudge》がないので親和が相性の悪い部類です。
それでも「他のデッキに負けたらしょうがないし、自分は双子しか使ったことないからなぁ…」となったらそこは腕の見せ所。最近では黒緑Xの対策に《嵐の神、ケラノス/Keranos, God of Storms》や《誘惑蒔き/Sower of Temptation》など、少し独特なカードが採用されていたりします。ケラノスは《殴打頭蓋/Batterskull》同様消耗戦に強く、《誘惑蒔き/Sower of Temptation》は《突然の衰微/Abrupt Decay》の効かない《不忠の糸/Threads of Disloyalty》なので苦手なリリアナに強いのが魅力です。
メタゲームの流れで予想通りの勝ち上がりを見せた殻と親和、意識されながらも圧倒的なパフォーマンスを収めた黒緑Xと次いで双子、代わりに影を潜めたマーフォーク…きっちり一周したと言える混沌としたメタゲームの中で一昨日の神モダンを迎えます。
・ モダン神決定戦
300人の満員御礼で行われた神モダン。その結果は…
1位 赤単t白バーン
2位 親和
3位 純正双子
4位 マーフォーク
5位 メリーラポッド
6位 ジャンド
7位 赤単t黒バーン
8位 黒緑ジャンク
TOP8には今までの話に出た各デッキタイプが勢揃い、と言ったところですが、優勝はこれまたメタゲームの隙を突いてか赤バーンが勝ち取りました。
ちなみにTOP16まで見ると
9位 ジャンド
10位 純正双子
11位 黒緑ジャンク
12位 赤単t白バーン
13位 赤単t白バーン
14位 ドメインZoo
15位 白黒ジャンク
16位 感染
メタゲームブレイクダウンによると使用者は上から
44人 黒緑X
24人 青白赤コントロール
23人 欠片の双子
23人 出産の殻
21人 白黒トークン・ジャンク
20人 ウルザトロン
20人 バーン
20人 Zoo
15人 親和
倍以上の使用者がいた黒緑Xと同じ数である4名のTOP16への輩出を考えると、この日の勝ち組は完全に赤バーンでした。トップメタの黒緑Xに強く、多種多様なデッキのいるモダンでは「特定のデッキにしか効かないカード」を用意するのは困難で、仮に数枚用意できたとしても、先週の結果を考えればその枠は「親和」に充てるのが順当。となると、この週の赤バーンの活躍も頷けます。
さて、以上の結果を踏まえてメタゲーム予想(カッコ内は前回の予想からの変動)
Tier1
(-)黒緑X
(-)欠片の双子
(↑)親和
Tier1.5
(↓)出産の殻
(↑)マーフォーク
(↑)赤単バーン
Tier2
(↓)風景の変容
(↓)青白赤コントロール
その他
ウルザトロン、青赤デルバー、白黒トークン・ジャンク、ヘイトベアー、Zoo、死せる生、感染 etc...
黒緑Xと双子は揺るがないトップメタ、親和も昨日行われた金沢でのPTQを制したということもあり、当面はTier1として意識しないといけないでしょう。
神モダンを制した赤バーンが圏外から一気にTier1.5へ。しかしこの手のデッキは勝ったら一気に対策が増えて一時的に失速、メタゲームの回りを待ってまた浮上という流れになりがちなので意識しすぎは禁物。今週はTier1.5ですが、来週にはTier2になる可能性が高いですね。
個人的に注目なのはいつも使用者が少ない割にコンスタントに結果を残しているマーフォーク。PTQに出るならしっかり抑えておきたい相手です。
そして出産の殻。川崎PTQ優勝、神モダンTOP8、金沢PTQでも準優勝したと聞きました。普通に考えると完全にTier1なのですが、ちょっとした理由がありTier1.5に落としました。それは「プレイングがモダンで1番難しい」と感じたためです。
モダンのデッキはどれもプレイングが難しいとは思いますが、その中でも殻は頭2つ程抜けて難しいと思っています。まず1つは採用しているカードの種類が他のデッキの倍以上ある点。殻というカードの性質上当たり前ではあるのですが選択肢が常に多く、その選択はサーチだけに限らず、サイドチェンジやトップデッキの可能性を考える上でもプレイングを難しくします。
もう1つはライフ管理。キーカードの殻がライフを失う他に、緑に寄った3色でありながら白と黒にダブルシンボルもあるので土地からのダメージも痛いところ。デッキに1~2枚のダブルシンボルのためにギルランを持ってくるか、もし引いてしまったときのリスクを考え…など、とてもじゃないですが慣れていないと使いこなせません。
今週赤バーン勝ったからコピーして出ようってなった人はメタが動いてなければそこそこ勝てると思います。黒緑強いからコピーしようって人もそこそこ勝てると思います。ですが、今週殻が勝ったからコピーして出ようって人はメタが動いてなくても勝つことは難しいと思います。これがTier1.5の理由です。
そんなところで。次回は当方が参加予定の土浦のPTQが終わった後に!
Cardshop-Nage http://nage.ocnk.net/
プロツアー「神々の軍勢」(2月23日)
(http://coverage.mtg-jp.com/ptbng14/)
GPリッチモンド(3月8日)
(http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/gprich14/welcome)
SSSモダン(4月13日)
(http://www.bigmagic.net/list/modern/tournament/0013.html)
GPミネアポリス(5月11日)
(https://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/gpmin14/welcome)
BIGMAGIC OPEN(SCG Invitational Challenge)(5月11日)
(http://www.bigmagic.net/event/bmo01/modern/008.html)
第407回PWC(兼GPT台北)in川崎(5月24日)
(http://d.hatena.ne.jp/Strike/20140524)
第409回PWC(兼GPT神戸)in新宿(6月1日)
(http://d.hatena.ne.jp/Strike/20140601)
PTQタルキール覇王譚in川崎(6月7日)
(http://d.hatena.ne.jp/Strike/20140607)
モダン神決定戦(6月14日)
(http://www.happymtg.com/category/coverage/archive2014/kami_modern/)
MO Modern Daily&Modern Premier(随時更新)
(https://www.wizards.com/Magic/digital/magiconline.aspx?x=mtg/digital/magiconline/newsandupdate)
モダンまとめ、その1-プロツアー神々の軍勢-
(http://worldandworld.diarynote.jp/201403140113045525/)
モダンまとめ、その2-GPリッチモンドとSSSモダン-
(http://worldandworld.diarynote.jp/201404201502359910/)
モダンまとめ、その3-GPミネアポリスとBMO併催SCGチャレンジ-
(http://worldandworld.diarynote.jp/201405121640593890/)
モダンまとめ、その4-PWCで行われた2つのモダンGPT-
(http://worldandworld.diarynote.jp/201406022353033478/)
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