神戸に向けてのモダンまとめその4です!

今回は5月24日と6月1日にPWC主催で行われた2つのGPTの結果を見ていきます。翌週からはいよいよPTQも始まりますので、何か少しでも参考になれば幸いです。


まずは先週行われた「第407回PWC(兼GPT台北)in川崎」。参加者は121人とメタゲームを考えるには十分な人数が集まりました。

TOP8のデッキタイプは以下の通り。

1位 欠片の双子
2位 青赤t白ストーム
3位 タルモ双子
4位 風景の変容
5位 青白赤コントロール
6位 タルモ双子
7位 緑単t青感染
8位 白赤ウィニー

まず目を引くのは1位の《よじれた映像/Twisted Image》入り双子でしょう。これは海外のトッププロであるオーウェン・ツァーテンウェルドが考案したもので、本人曰く「元々入っていたキャントリップ枠(のぞき見やギタ派)は練習を重ねれば相手のハンドが推測できるので、殻と親和に強い《よじれた映像/Twisted Image》を採用した」そうです。

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個人的な話になりますが、僕は普段MOで殻を使っていて、この回のPWCも殻で出るつもりでした。しかし、このよじれツインが考案され、何回かスパーして今週使うのは無理だと言う結論に至りました。序盤マナクリに撃たれ、中盤は瞬唱から呪文滑りに撃たれ、相手のハンドが全然減らないこのカードは殻というデッキにあまりに理不尽な強さでした。

例えばこちらが先手1ターン目に出したマナクリに、後手1ターン目に《よじれた映像/Twisted Image》されるとハンドは5枚対7枚で、1マナで強制的にマリガンさせられた形になるといえばその理不尽さが伝わるのではないかと思います。

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さて、その他のTOP8ですが、まずはタルモ双子が2人となっており、優勝のよじれ双子と合わせてそのトップメタの強さを示した結果になりました。他にも直近のGPを制した《風景の変容》デッキが入っていたり、あまり見慣れない感染や白赤ウィニーがいるあたりはモダンの可能性を感じさせますね。

他にはプレイヤーとして2位に入ったオカダナオヤさんはSSSモダンでも同じデッキでTOP8に入っていますし、5位のイチカワユウキさんは先日のプロツアー「ニクスへの旅」TOP4が記憶に新しいところですね。こういったプレイヤーが勝っているあたり、やはりモダンはよりプレイスキルが問われる環境であると言えるのではないでしょうか。

後は案の定というか、《出産の殻》デッキはトップメタの一角でありながら結果を残せませんでした。親和も同様ですが、親和は会場を見渡した限りそもそも使用者が少ないように感じられました。しかし!!草の根ならいざ知らず、PTQではそういったメタゲームの隙をついてくる強豪プレイヤーが必ずいるので、親和だけは対策を怠らないのが良いと思います。



では、続いて昨日行われたばかりの「第409回PWC(兼GPT神戸)in新宿」。参加者は171人の8回戦と、PTQも見据えてかかなりの人数が集まりました。

TOP8のデッキタイプは以下の通り。

1位 黒緑ジャンク(先週よじれツインで優勝した方、すごい!)
2位 マーフォーク
3位 黒緑ジャンク
4位 ドメインZoo
5位 黒緑ジャンク
6位 欠片の双子
7位 マーフォーク
8位 ヘイトベアー

優勝を含めTOP8に黒緑ジャンクが3人と勝ち組に。先週優勝の双子に強いので納得ですが、注目は全員「ジャンド」ではなく「黒緑ジャンク」であるという点。ちなみに私も黒緑ジャンクで参加、結果は6-2の14位で商品圏内に入れました。何故「ジャンド」ではなく「黒緑ジャンク」なのか。違いを見ていきたいと思います。

「ジャンド」から「黒緑ジャンク」への変更で得るもの
《樹上の村/Treetop Village》
《地盤の際/Tectonic Edge》
《血染めの月/Blood Moon》に対する耐性
(《四肢切断/Dismember》)

「ジャンド」から「黒緑ジャンク」への変更で失うもの
《稲妻/Lightning Bolt》
《神々の憤怒/Anger of the Gods》
《古えの遺恨/Ancient Grudge》

主な違いはこんなところでしょうか。黒緑ジャンクは以前GPリッチモンドのTOP16やBMOモダン優勝の構成にもあったように《ファイレクシアの抹消者/Phyrexian Obliterator》が採用されているものが主流となっていましたが、先週くらいから抹消者が抜けて際を4枚採用したリストがMOで急激に勝ち始めました。

3マナ以下の強力なスペルの塊みたいなデッキなので、地盤の際の強さは疑いようがありません。また、ジャンド・黒緑は殻・双子・親和と違い「このカードが苦手」というのが極端に少ないデッキです。その中でも唯一と言っていいほど苦手なのが《血染めの月/Blood Moon》なので、黒緑2色に絞ること・抹消者を採用しないこと少しでも耐性上げ、より弱点を少なくしています。

ジャンドでは色マナの都合上2色出る《怒り狂う山峡/Raging Ravine》と採らざるを得なかったところも、より強力なミシュラである《樹上の村/Treetop Village》に変更できるのは大きなメリットです。

失うものの筆頭は稲妻ですが、代わりに《四肢切断/Dismember》を採用しています。現状のメタゲームを考えると、まず双子には《詐欺師の総督/Deceiver Exarch》を倒せる分ディスメンバーのほうが優秀で、殻と親和には稲妻のほうが強いですが、どちらも減少傾向にありますし、ディスメンバーも悪くはない除去ではあります。

ジャンド・黒緑同系でも稲妻の射程は少なく、青白赤コントロールにも修復の天使・天界の列柱に対処できる分、本体には当てられませんが優秀な部分もあると言えるでしょう。

《神々の憤怒/Anger of the Gods》は相性の良くない《出産の殻/Birthing Pod》への勝率を五分に持っていける頼もしいカードなので、ここは悔やまれます。ですが、前述の通りよじれツインの登場や、電解4枚がトリコの定石となり、殻は一気に厳しいメタゲームになってきたので減少するならある程度の割り切りは必要です。一応《悲哀まみれ/Drown in Sorrow》は入っているので全然勝てないってこともないと思います。

後は《悲哀まみれ/Drown in Sorrow》になったことでZooやマーフォークなどタフネス3以上を横に並べるデッキはきつくなりました。

最後にサイドに2枚が鉄板だった《古えの遺恨/Ancient Grudge》ですね。対親和は代わりに《忍び寄る腐食/Creeping Corrosion》を採っているので、逆に引けたときはグッと勝ちに近づけるから良いのですが、ヘイトベアーやマーフォークの出してくる《霊気の薬瓶/AEther Vial》と、サイド後苦しめられる《殴打頭蓋/Batterskull》への対策が減ったのは痛いところです。

ジャンドと黒緑の違いはこんなところでしょうか。



その他マーフォークが2人入っているのも注目ですね。マーフォークも欠片の双子に強い部類のデッキですし、除去連打がきついデッキではありますが、ジャンド→黒緑でアンガー・グラッジが減ったのは幾分か追い風のはず。それでも衰微はきつそうですが、《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》でお茶を濁しましょう。

また一人はt赤で稲妻とサイドに《血染めの月/Blood Moon》を採った初めて見るマーフォークでした。メリーラポッドからメリーラが抜けた例もありますし、既存のデッキもまだまだ改良の余地が残されていますね。


唯一TOP8に入った双子は《よじれた映像/Twisted Image》は無しで《炎の斬りつけ/Flame Slash》がメインに4枚。メタゲームの回りを的確に読んだ判断だと思います。おそらくですが黒緑ジャンクが多い予想での構成でしょう。メインに月、黒パクト確認のためギタ派、リリアナに強い《呪文貫き/Spell Pierce》、除去があってもとりあえずアドは失わずにコンボにいけるキキジキは多めに2枚。

仮に普段からずっと双子を使っていて、PTQの前週によじれ双子が勝って真っ先にメタられることになったとします。他のデッキは練習不足でプレイングに自信が…となっても、こういったチューンアップがしっかりとできれば問題なく戦えそうですね。



メタゲームは本当によく回っていて

GPでもよく勝っているメリーラポッドが強い→《よじれた映像/Twisted Image》を入れた双子が強い→よじれ効かないし相性良い黒緑ジャンクが強い→双子に有利なZooやマーフォークもアンガー減ったし強い→今週のPTQは…??

といったところですね。順当に考えると1周して《出産の殻/Birthing Pod》の復権がありそうですが、そのまた1手先を読むのが正解なのかどうなのか…

そんなところで。次回はPTQの結果が出た後に!


プロツアー「神々の軍勢」(2月23日)
http://coverage.mtg-jp.com/ptbng14/

GPリッチモンド(3月8日)
http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/gprich14/welcome

SSSモダン(4月13日)
http://www.bigmagic.net/list/modern/tournament/0013.html

GPミネアポリス(5月11日)
https://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/gpmin14/welcome

BIGMAGIC OPEN(SCG Invitational Challenge)(5月11日)
http://www.bigmagic.net/event/bmo01/modern/008.html

第407回PWC(兼GPT台北)in川崎(5月24日)
http://d.hatena.ne.jp/Strike/20140524

第409回PWC(兼GPT神戸)in新宿(6月1日)
http://d.hatena.ne.jp/Strike/20140601

MO Modern Daily&Modern Premier(随時更新)
https://www.wizards.com/Magic/digital/magiconline.aspx?x=mtg/digital/magiconline/newsandupdate

モダンまとめ、その1-プロツアー神々の軍勢-
http://worldandworld.diarynote.jp/201403140113045525/

モダンまとめ、その2-GPリッチモンドとSSSモダン-
(http://worldandworld.diarynote.jp/201404201502359910/)

モダンまとめ、その3-GPミネアポリスとBMO併催SCGチャレンジ-
http://worldandworld.diarynote.jp/201405121640593890/


Cardshop-Nage http://nage.ocnk.net/

コメント

つばさ
2014年6月3日0:29

モダンでよく当たる者です。
nageさんのモダン記事はいつもよく纏まってて素晴らしいですね。
今回も勉強させてもらいました!

Nage
2014年6月3日0:33

>ねろさん

ありがとうございます。そう言って頂けると嬉しいです。

昨日は引きが強くて勝てましたが、それでも1勝2敗なので次も負けませんよ!!

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